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『お茶漬けの味』(1952)監督:小津安二郎

2010年10月28日 / 好み度Bランク / 元記事

お茶漬の味 [DVD] COS-023お茶漬の味 [DVD] COS-023
(2007/08/20)
佐分利信木暮実千代

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初、小津体験である。 まったりとした出だしから当然馴染みのテンポとは異なり、これは当時の風俗とか歴史的価値をコミで楽しんでいくしかないのかなあとか思っていたのも束の間、知らず知らずのあいだに次第にじりじりと画面に惹き込まれていた。 こうなると現代との風俗の違いとかどうでもよくなってくる。 惹かれるのは佐分利信演ずる主人公の懐の広さ。 表面的な行動と妻への対応だけ取り出せば、ある種柔弱とも捉えられるのだが、けしてそうは感じない。 太く芯の通った強さを感じるのだね。 大人の男の優しさってのは、本来こういうのだよなあ、とつくづく憧れるのである。 その優しさがあってはじめて、観る者が嫌悪感を感ずるギリギリのわがまま妻振りを見せる木暮実千代のかわいらしさが光るのである。 そして終盤、お茶漬けの支度をただただじっくりと丁寧に見せられるだけのシーンでこんなに感動するとは。 初体験、参りました。