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【TV】

【TV】
本木雅弘『ブラック・ジャック』を 見逃した
【00/4/5】

 『ブラック・ジャック』が本木雅弘〜?!
 と、番組表を見た誰もが思ったであろう番組が、 今春の特別ドラマでTBS系3月31日夜9時より放送された。

 かくゆう私もTV情報誌でその情報を得ても、ほとんど無視状態、気にも留めていなかった。

 『ブラック・ジャック』の映像化にはあまり評判のいいものがない。一番有名なのは加山雄三主演のTVシリーズだが、原作とは似ても似つかない、どちらかといえば江戸川乱歩シリーズのテイストに近いものがあった。宍戸錠の大林映画と隆大介のVideo作品は未見であるが、やはりあのブラック・ジャックのキャラクターを実写でやること自体、イロモノ的な雰囲気がプンプンしてくるのである。

 で、その日も『ミュージックステーション』で、SPEEDのラストスタジオライブなどを、のほほんと見ていたのだが、終了後何気なくチャンネルを変えると、この本木雅弘版『ブラック・ジャック』が放映されていたというわけである。

 そういえばやっとったのお、という感じで見るともなく画面を眺めているうちに引き込まれ、最後まで見てしまった。このドラマを見ないわたしが、である。

 なんの予備知識も持たずに見たわけだが、カットの撮り方等から、『ケイゾク』のスタッフがやっとるのかな、ということはすぐわかった。案の定演出は堤幸彦である。やはり映像が独特、である。

 本木の『ブラック・ジャック』は意外とハマッていた、と思う。異論もあろうが。いわゆる「変な人」なんだが、コミカルかつシリアスに造型されたキャラクターをしたたかに演じていた。
 ピノコは何故か双子(?)の設定で、ユニゾンでしゃべっている。これまた斬新な設定だが、変なキャピキャピアイドルだされて「あっちょんぶりけー」とかやられるより、よっぽど原作を汚してない。
 ヒロインの永作博美は、『週末婚』等内牧ドラマを引きずるかのような熱演であったが、それほど嫌味はない演技と思う。
 でもドラマを引き締めていたのは、やっぱ悪役の岸部一徳だろうね。さすがです。

 や、なかなかでした。半分見逃したけど。
 再放送なりビデオ化されたら、一度見てちょ。

 

【TV】
99年秋の改編:バラエティー新番組はどーなっておるか(その2)
【99/11/15】

 前回書き漏らした重要なトピックのひとつとして、藤井隆のブレイク、というのがあった。タイトルの一端にその名を冠した『フジリコ』をはじめとして、レギュラーだけでも数本、セミ・レギュラー、ゲスト出演も飛躍的に増えた。ミュージカルの主演やCM出演も含め、大忙しの筈である。キャラクター人気先攻といった感じではあるが、つぶやきシローよりはツブしが効きそう。スポット的には実に使いやすいキャラだからね。

 前回触れた以外の新バラエティーとしてローカルの番組を幾つか挙げておく。『ナイトinナイト』は大阪ローカルの長寿深夜バラエティーであるが、その木曜日がリニューアルし、何故か名古屋でも金曜の深夜に単独でネットされることになった。今田・東野司会の『ナンバ壱番館』である。
 毎回、吉本芸人一組にスポットをあて、『波乱万丈』方式にその歴史をVTRで振り返る。第1回が池乃めだか、第2回が解散したどんきほーて、第3回が西川きよしであった。
 これがなかなか面白い。『わらいのじかん』とはまた違った意味で、吉本総出演バラエティーなわけだけど、『いろもん』でもならした今田・東野の芸人いじりが存分に発揮され、吉本仲間内番組といえば云えるが、大阪ローカルならではの雰囲気にも充ち溢れ、VTRの出来の良さも手伝って、毎回が楽しみである。

 その今田・東野コンビによる名古屋CBCローカルが『ネッパ者』。毎回各種業界の裏側を知る人に電話をかけ、その業界の裏話を聴くというありがちな番組ではある。バラエティー的な面白さにはかけるので、あくまでこのコンビの力量にかかってくるであろう。
 今田・東野とCBCのつきあいは古く、ブレイク前の『正解るんです』から連綿とレギュラーが途絶えない。さらに遡れば、『デイ・ブレイク』や中京テレビの『ラジオDEごめん』から、名古屋レギュラーの歴史は古い。全国ネットではうかがえない雰囲気が残っている。

 バラエティーではないが、CBC金曜深夜の『ベストヒットTODAY』には驚いた。これは全国的にネットがあるようでいつからやってるのか分からないが、CBCではこの10月からだろうと思う。
 何に驚いたかって、これはかの『ベストヒットUSA』の完全なリメイクなのですね。小林克也が自分のスタジオを使って自らのプロデュースで『ベストヒットUSA』を復活させてしまったのである。番組の基本的なフォーマットはまったく一緒。テーマ曲もあのお馴染みの曲なら、決まりのセリフもまったく一緒。いつ間違えて「TODAY」の代わりに「USA」と言ってしまわないか、ハラハラしてしまうような雰囲気である。扱う曲はもちろん最新のヒットチャートなのだが、それでこそ意味がある。単なる懐古、というわけじゃないのだよ。優れたフォーマットは現代にも通用するということなのだろーね。洋楽チャート好きは必見。

 

【TV】
99年秋の改編:バラエティー新番組はどーなっておるか
【99/10/26】

 というわけで、この10月の改編での新番組は大体出揃ってきたようである。ドラマは見ない、が基本の私なので、ここでの話はバラエティに限られると断っておく。(ま、わかっておろうがの)

 全体的な状況としては、ロンブー・ネプチューンの更なる躍進、といったところがトピックだろうかね。二組とも深夜番組ではもはや帝王的な存在で、ほとんどの局でレギュラーを有し、夜中にチャンネル回せばどこかでぶちあたる的な状態に、前年から今年の4月の改変期にかけて、なってきてはいた。ゴールデン進出も既に果たしているのだが(特にロンブー) この10月からは加えて、フジで7時と8時台にそれぞれ看板番組を持つことになった。『うっひゃー!!はなさかロンドンブーツ』と『力の限りゴーゴゴー!!』がそれである。

 と、書いておいてなんではあるが、実はまだ未見である。二組とも嫌いではないが、あまり積極的に見ようという感じには至らない。特にネプチューンの不条理(無茶苦茶)コントは生理的に嫌いになれないので『笑う犬』での活躍を期待、である。

 それを追うのが極楽・ココリコであるといったところは変わらずか。こちらは看板番組でのゴールデン進出はまだではあるが、深夜帯での単独番組は数知れず、ゴールデンのバラエティでもアクセント的には欠かせない存在となっている。
  爆笑問題は独自の道を行って安定期か。しかしながら『ポンキッキーズ』の爆チュー問題で、キッズ層(とその親)にもさらにブレイク。

 大御所陣ではタモリは相変わらず、たけしは『タケシムケン』が実は結構おもしろい。2クールの命かと思われたが、持ち堪えた。
 問題はさんまの新番組『明石屋マンション物語』である。初回を見た誰もが「これはツライのでは」と思ったことであろう。わしもそうである。しかし実は結構期待している。トークのさんまが面白いことはもうわかりきっているので、この番組では違うことがやりたかったのであろう。それこそ昔のひょうきん族的笑いも含めて。それには今の出演者数はちょっと邪魔かも。おそらくそのうち整理されることであろう。もしくはテコ入れで単なるトーク番組になってしまわないことを祈る。「意味ないじゃーん」も「ダメダメ」も、しつこくやってこそ意味がある。(じゃ、カメヘンライダーが面白かったかと言われると........。)

 松本人志と今田の『わらいのじかん』には、いろんな意味で驚かされた。松本の単独番組、ということで、『松ごっつ』や『ビジュアルバム』の流れをくむ濃い番組かと思いきや、吉本総出演バラエティーであったとは。今は、松本と吉本の若手陣の珍しい組み合わせに目を奪われてしまうが、それだけにとどまる筈もなく、今後どのような方向に行くのか興味深々。たぶん数ヶ月後にはまったく違った内容になっているのでは、と思うのだがどうだ。番組自体は充分楽しめたが、評価は保留。

 

 

【TV】
日曜の朝は「たこやきマントマン」をチェックせよ
【99/3/18】
 日曜の朝ぐらいは寝坊をしようじゃないのなどとと考えているキミ。キミは大変なものを見逃そうとしている。もうすっかりお馴染みの人にはお馴染みになってしまっているが、本当にブレイクする前に紹介しておこう。
 その昔、平日の夕方とかも子供番組の黄金時間帯であったわけだが、最近は一部を除いて割とひっそりだよねえ。どこへ行ったのかと思っていたら、日曜の朝が子供TV天国になっておるのですね、今。『燃えろ!ロボコン』も、旧シリーズと左程違和感のない仕上がりで、我々旧世代の試聴にも十分耐えるものになってるのだけども、そんなことよりTV東京枠である。『ガサラキ』じゃないよ、その前の番組。『たこやきマントマン』を絶対チェックせよ、である。
 なんていうか、『アンパンマン』の2番煎じというか、同一発想というか、児童向け絵本が原作なんだけど、『アンパンマン』になんとなく感じる薄気味の悪さを、ギャグに撤することで振り切った感じのある番組である。脚本はかの浦沢義雄がほとんど手がけているようで、かなりすっ飛ばしている。『カミタマン』や『ペットントン』、『どきんちょネムリン』を愛好していた方々には、きっと気に入って頂けるテイストである。同じ浦沢シリーズ監修アニメの『忍たま乱太郎』には、面白いには面白いが、割と「まっとう」な面白さを感じていたが、こっちは「やっとるやっとる」的な面白さである。
 とりあえず、詳しくは説明せぬが、たこやき屋のおばちゃんの所から出動する、5人の(レッド、ブルー、グリーン、ピンク、イエローの黄金パターン)戦士が、とても愛らしい。グッズもガンガン売れなきゃ変だぞ。
 何より、さねよしいさ子唄う主題歌がまさに耳「タコ」もの。「だんご三兄弟」に劣らず、大ブームを巻き起こすことを確信する。しかし、放送開始1年ぐらい経ってるんだよなあ。兆しはないなあ。

【TV】
ダウンタウン×ウンナンふたたび『いろもん豪華特別版』
【98/6/8】
 深夜枠で昨年の10月からやっている『いろもん』は、鶴瓶とウンナンが毎週一組のお笑い関係のゲストを迎えてトークをするという番組で、「芸談」好きな僕としては、見逃せない番組のひとつとなっている。30分という枠がちょっと窮屈で、この種の番組としては珍しいゲスト(さんま、所ジョージ、いとし・こいし等)が出た時も、もの足りなさが少し残るのが残念であったが、今回は2時間の特番、しかもゲストはダウンタウンである。いやあ、ついこの間『いろもん』にダウンタウンは出るであろうか、いやもうちょっと番組続いて番組として実績が作られないと出ないだろーななどと、ウダウダ考えていた矢先だったので、飛びついて録画しながら正座して見ました。なめるようにして楽しむべく。やっぱミーハー的に単純に、ダウンタウンとウンナンが揃った光景というのは見たいじゃないすか。
 結論としては、面白かった。しかしながら、それはダウンタウン二人のトーク自体が、旧知の人々の中でリラックスしてさらにはじけたものになったからであって、特にウンナンとの絡みにおいて期待したような面白さは得られなかった。というか、期待していたのか?って部分は確かにあって、この番組においてウンナンはもっぱら聞き役なわけで、進んで自ら笑いを取るような役割を課されていないということもあってか、ダウンタウンのトークに対し、ひたすら受けに回るばかりである。ま、ゲストを立てるという意味では当然の所業ではあるが、一時期の落ち込みを立て直して来たウンナンの力を、ダウンタウンの前でちょっぴり見せて欲しかったと思うのは買いかぶり過ぎか。やはり『夢逢え』のように、ウンナンの力が発揮できるコント番組でこそ、ダウンタウンと互角に渡り合えるのかも知れない。
 個人的には、昨年後半(「ごっつ」終了時)から、今年前半のダウンタウンは浜田のソロ番組を含めてイマイチと思っていたのだが、最近、やはり素直に面白いと思うようになった。松本の世界にもそろそろついていけないかなあなどと思っていたのだが、「日影の忍者勝彦」とか、もう全然オッケーすよ。2回転半ぐらい捻れて、面白いとまた思うようになってきたので、期待である。木曜8時のTBS新喜劇に出た時も素直に楽しめた。んー、やっぱコント番組やってよね。

【TV】
『総理と呼ばないで』終了
【97/6/22】
 1回も欠かさずドラマの連続ものを見たなんてのは、オレ史始まって以来の事かもしんない。いや、アニメとか入れても多分そうだな。どんなに評価し、どんなに続きが気になる展開であっても、何らかの要素でスコーンと1回ぐらい抜けてしまったりするものである。1回ぐらいならまだしも、見逃した事でどうでも良くなって、それ以降その番組を見なくなるなんてことも多々あった。大体が持続力に欠ける奴なので、連続ものとかシリーズものは、本質的な好悪は別にして、体質的には苦手だ。これ、今改めて気付いたのだけど、ホントそうだわ。「ヤマト」「ガンダム」なんてものも全部見てないぞ。「エヴァ」を今に至って1回も見たことないのは、あれを24話だか延々と見続けるのが、見る前から苦痛だからだ。そういう意味ではマニア意識に欠ける所、大なものがある。
 前置きが長くなったが、以前にも触れた『総理と呼ばないで』が6/18、全11回で無事終了した。一時は脚本の遅れとかで途中打ち切りとの噂も出ていただけに、まずはホッとした。毎回毎回のドタバタ・コメディ的展開に加え、全体で一つの大きなうねりを持った構成も、まあ成功している。欲をいえば、もう2回分くらい欲しかった気がするが、それぐらい盛りだくさんの内容であった。話によれば、毎回60分以上となる脚本ができ上がってきたそうで、カットされた部分も多々あるという。伏線で勝負するところのある三谷脚本だけに、その作業はかなり辛かった事であろう。最終回もこれまでの伏線がいろいろと効いていて、ああ見逃さずにきて良かったと思わされた。
 とはいえ、そういう事情があったにせよ、脚本のあちこちに不満というか、もの足りなさを感じたのも事実ではある。その上でこのドラマを評価するのは、やはりキャスティングの妙にあろう。すべてのキャスティングがぴたりとはまっていて、それぞれの演技を見ていて実に気持ち良かったということだ。西村雅彦のみ、いつ爆発するかと思って見ていたが、ついに爆発せずじまい。おやおやとは思ったが、端々で地味な演技が効いていたので、これもありかなと思う。そうして見ると、やはり主席補佐官役は西村以外考えられなかったりする。見事に嵌められてしまっているわけだ。
 今回、私見のベストキャストは、小松政夫、小林勝夫、戸田恵子、鶴田真由あたりか。佐藤藍子、藤村俊二あたりも良かった。
 小林信彦は、これより『いいひと』を誉めていたが、いやはや。志は分かるんだけど、『いいひと』でいいのは伊藤四郎ぐらいのもんでしょ。あれで草薙を誉めるというのは、僕はどうかと思う。余りに当たり前過ぎてつまらないぞ。
 というわけで、今期は結構ドラマを見ていたので、又書く機会があれば別に。『ギフト』とかね。

【VIDEO】
『超光戦士シャンゼリオン』は惜しいなあ
【97/6/8】
 近所のビデオ屋がKIDSビデオ200円レンタルになっていたので、娘用のドラえもんやクレしんと共に、見たい見たいと思っていた『超光戦士シャンゼリオン』のVol.1を借りてくる。従来のヒーロー物の設定をひっくり返した設定(主人公が軽い、ヒーローになって有頂天となる、等)や、美形揃いの登場人物等で、一部で評判になった作品だ。ご存じない方は「リンクでポン」で、全話解説してあるホームページにリンクしてあるから、ご覧あれ。
 ざっと4話分見たわけだけど、惜しいね。キャラの演技がヘタというのが、一番の欠点。棒読み台詞とは言わないが、それに準ずる演技力が、折角の軽みのある世界を、単にスカスカの世界にしてしまっている。その他の部分は造形にしろ、CGにしろ合格点なのになあ。ま、最近の戦隊物とか全然見てないわけですから、比較は出来ませんがね。
 でも、最近のTV東京って「エヴァ」といい「ウテナ」といい、これといい、ちょっと変わったアニメ・特撮の宝庫なのか? こっち方面は全然チェックしてないからなあ。「少女革命ウテナ」とか、設定だけ見ると相当ヘンだけど、面白いの?

【TV】
「音楽空間アンモナイト」は丁寧なつくり。POPファン必見。
【97/5/3】
 4月から始まったTV東京系金曜夜10時からの「音楽空間アンモナイト」がいい。石井竜也をホストにした、ゲストを迎えたトーク有りの、ライブ有りの、バラエティ音楽番組だが、非常に丁寧な構成で、画面作りも力が入っていて見ていて安心できる。石井の米米解散後のパワーを集中させているといった感じで、別に期待していなかった分、見事にはまってしまい、毎週欠かさず見ている。現在まで3回放映されているが、メインゲストにNOKKO、泉谷しげる、郷ひろみとすでに多彩。ライブゲストもスカパラ、山崎まさよし、COSA NOSTRA、ACO等と民放TVでなかなかお目にかかれない布陣がどんどん出てくる。レギュラーで前川清を起用し、ミニコントをさせるのもご愛敬。石井のいかがわしさが、遺憾なく発揮された番組になっている。
 危惧すべきは視聴率。どーなってるのだろう。なんせ「ふぞろい」の裏だしなあ。低視聴率で打ち切りなどということにならぬよう、切に存続を望むのだ。

【TV】
「総理と呼ばないで」快調スタート
【97/4/9】
 三谷幸喜脚本・田村正和主演の「総理と呼ばないで」が、昨晩から始まった。最近は滅多にドラマを見ないが、この組み合わせでは見ないわけにはいかない。言うまでもなく「古畑任三郎」のコンビである。西村雅彦ももちろん助演している。深夜、録画しておいたvideoを見る。1時間半のスペシャル版だ。
 オープニングから飛ばす飛ばす。くだらなくなりすぎない程のギャグをちりばめたファース。三谷脚本の真骨頂。内閣支持率1%台の史上最低の総理大臣を田村正和が演じる。そして同じく史上最低のファーストレディを鈴木保奈美、回りを固める助演陣は西村雅彦をはじめとして、筒井道隆、小松政夫、藤村俊二、佐藤藍子、戸田恵子等、豪華かつクセのある俳優が固める。どの登場人物も名前がない、というか劇中で明らかにされない。これが違和感なく続けられるかが見もののひとつ。
 田村正和が三谷脚本で、どうして生き生きとするのか、これを見ながらなんとなく解った。大体、田村はどちらかというと特徴的な演技をする俳優なわけで、あまり現実にはこうした誇張された人物にはお目にかからない。いわば、存在そのものが虚構の匂いをぷんぷんさせた人なわけで、三谷の「つくりもの」を意識した脚本の中では、逆に違和感なく存在出来るわけだ。ま、平たく言ってしまえば、芝居がかった人物が、「芝居」の中で輝いているということですね。
 本編の論評は、この先また触れるかも知れないので、先の楽しみとしておこう。「つくりもの」が好きな人は絶対、見るべし。