全員集合でオールスターなのだ!! 光文社文庫―赤塚不二夫傑作選
竹書房から遂に昨年末よりリリースされている『おそ松くん』文庫を買わなければと思いつつ、そのままになっている。
『おそ松くん』は、僕のマンガ体験のルーツとなった作品で、曙コミックス版の数冊を幼い頃ボロボロになるまで繰り返し読んだものである。
昨日BOOK OFFで一昨年出たこの傑作選を見かけたので、ついつい買ってしまった。この何故か突然光文社文庫から3冊のみ出された傑作選も発売当時、買おうか迷いつつ、そのままになっていたのである。
さくさくと読むにつれ、さまざまな記憶が蘇る。
『ア太郎』『バカボン』も好きだし、『レッツラゴン』も凄いと思うけども、幼心になにより『おそ松くん』で刷り込まれたのは、それら赤塚作品全般に伝わっていく、キャラ立ちの凄まじさかなあ。イヤミ、チビ太、デカパン、ダヨーン等個性豊かなキャラクター達がこれでもかと出てくる。六ツ子であるということ以外には比較的無個性な、主人公であるおそ松くん達との対比も見事。
これが手塚作品のようなスターシステムとなり、おそ松くんの後半では各種映画等のパロディ作品として結実している。ここら辺は長谷邦夫の手腕なのかな。
この傑作選第1巻は、それらキャラクターが概観できる便利編。赤塚入門編として入手し易さからも手頃かな。