2007年11月のエントリー 一覧

テッド・チャン特集

と、さっそく翌日に更新してみるテスト。(意味なし)

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

なんとなくムクムクとSFリハビリしてみたくなってきた気持ちを大切に育てようと、SFマガジン1月号を買ってみる。
新刊書店でマガジン買うなんて下手したら10年ぶりぐらいではないか。
とりあえず、巻頭のテッド・チャン特集のみ一通り目を通す。
アラビアン・ナイト風ハード時間SFノヴェレット「商人と錬金術師の門」が、かなりいい。
語り口、読後感とも素晴らしい。
ぎゅっと凝縮したような2ページの短編「予期される未来」にも唸らされる。
科学と魔法、SFとファンタジーを簡潔に論じたエッセイも良い。
あなたの人生の物語 』を読んだのはもう4年も前かあ。
すっかり内容を忘れてしまっているが、これなら再読してもいいかも。

毎日更新休止のおしらせ

つことで、この辺でちょっと毎日更新を休止することにする。
いやあ、よく続いたなあ、自分としては。
ホームページ自体は12年間やってきてるけど、毎日更新をしたりしたのは、これまでせいぜいほんの数ヶ月単位のことであった。
今回は、いっきに伸びて2年半である。
やればできるじゃん。
ま、なにかしら得るものもあったと思うので、当初の目的は達したということで、ちょっとまた違う取り組みをするかもしれないし、このまま間欠的にだらだらと続けるかもしれないし、なにも決めてないのだけども。
とにかくブログ自体は続きますので、今後ともよろしく。

『秋の牢獄』恒川光太郎

秋の牢獄

恒川光太郎の三作目。
一作目をかなり気に入って、二作目の長編はいまひとつ。
さて今回は、短編が三本入った作品集。
するするっと読めてしまうのは相変わらず。
話の転がし方がうまいのだけど、その転がし方は短編向きだなあ、と実感。
タイトル通り、三編ともに「なにかに閉じこめられた」人物を描くのだが、その中でもまんなかの「神家没落」が、一番、彼らしい持ち味が出ている。
彼らしい持ち味とはすなわち「こちら側とあちら側の狭間を行き交う人のせつなさを描く」であろう。
期待してしまっているせいか正当な評価ができないけども、まあ、小品集といったところかな。

少女七竈と七人の可愛そうな大人

桜庭一樹を読むのもこれで四冊目となる。
いわゆるラノベ時代の作品はひとつも読んでないのだが、大体この作家の傾向がつかめてきた。
『赤朽葉家』や『私の男』を読んで非常に面白かった一方、少しだけ不満を感じた部分はおそらく僕がこの作家にないものねだりをしてしまっているのだろうということに気づいた。
だから多分、的外れな評だった筈だ。
で、その僕の「不満を感じた部分」が膨らんだようなこの作品に対しては、感想がうまくまとまらない。
それでもするすると読めてしまったのだが。
いまのところ『砂糖菓子』が一番好きかもしれない。

STOPをかけないと。

実は、2年半ほど続けてきたこのブログの毎日更新をいったん辞めようと画策中。
当初宣言したように、「むりやり書く状況を作って、書くことを発生させる」ために毎日更新ということをやってきたわけなんだけども、とりあえず、その段階は終えてもいいのかな、と。
やはり、無理に更新してると醜さも目立ってくるしねえ。
とはいえ、回っている歯車はそう急にも止められず、止めるタイミングを決めかねている状況である。
別にブログそのものを辞めるつもりはないので、適当に書き散らしていくことには変わりないのだが、さて、どうするかねえ。

空中庭園 通常版
ひさびさにDVD鑑賞。
いやあ見ると言っておきながら2年も経ってしまった。
こんなに映画らしい映画を見るのも久しぶりだなあ。
もう、冒頭から「あ、映画を見ている」という感覚になり、画面に惹きつけられた。
監督の不祥事のことをすっかり忘れていて、見終わってから思い出したのだが、確かに「シャブ中が作った映画」とのレッテルを押されるのは、そうした過剰な描写や画作りが見られるだけに悔しいし惜しい。
そのことがどれぐらい映画作りに影響しているのかわからないが、少なくともこの監督の作品を他にも観たいと強く思ったのは事実である。
小泉今日子と大楠道代という僕の大好きな女優の競演というだけでも嬉しかったが、また演技も凄くって堪能した。
他のキャスティングもほぼすべて成功している(意外な起用含めて)と思え、原作を読んでから観たにも関わらず、そうした意味でもまったく不満を感じなかった。
原作のエッセンスを見事に取捨選択し昇華させてるといえるんじゃないでしょうか。

星新一 一〇〇一話をつくった人

いやー、たったいま読み終わった。
評判作だったので読みたかったのだが、なにかと延び延びに。
やはり読んで良かった。実に読み応えがあったなあ。
星新一の生涯を、残された膨大な資料や関係者へのインタビューなど詳細な調査で再構成した労作。
中盤からは、ウン十年前に読み漁った、日本SF創世期について書かれたさまざまなエッセイや日記や評論等々をうっすらと思い出しながら、いささか興奮しつつ読み継いだ。
SFに詳しくない人でも、星新一を読んだことのある人、いや「星新一」を忘れていた人、にはぜひ読んで欲しい作品といえる。
きっと星新一の作品をもう一度読みたくなるに違いない。
先日、NHKでやっていた「星新一 ショートショート劇場」は、やっぱこの影響かなあ。
さらにはETV特集でやってた日本SF特集もそうなのかもしれないね。あ、録画したまままだ見てないや。さっそく見よう。
終盤、ショートショート1001編到達後の晩年の記述に寂寥感を覚えつつ、読了。

秋の終わり

さて明日から三連休。
例によってこれといって予定はなし。
子供を連れてその辺をうろうろぐらいかなあ。
といっても急に冷え込んできたし、公園も厳しいね。
色づいてきた木々を眺める程度かねえ。

首無の如き祟るもの

そろそろ年末だなあ。年間ベストの季節よのう。
と思い立って今年評判の良かったミステリを調べたところ、ダントツ人気のこちらを図書館で確保。
基本的に前情報なしで読み始めたかったのだが、この本に辿り着くまでの探索過程でうっすらとネタバレされかけており、それはトリックの一部かなにかでミステリではよく使われるあのパターンが使われているようだといった程度のうっすらぶりではあったものの、不安を抱きつつ読むことに。
旧家、因習、祟り、後継取り争い、と王道の怪奇本格のキーワードが立ち並ぶ。
こういうのは久々だなあ。
訥々とした語り口ながら、興味を持続させつつ終盤の謎解きにまで導く基本的な魅力はある。
実は前にも書いたと思うが、本格ミステリ好きではあるもののあまり謎解きでカタルシスを得たことは少ない。
論理的に導かれる答にあまりピンと来ない性質のようで、頭の悪い所以であるが、説明されればされるほどシラけてしまうことが多いのだ。
しかし、この作品の謎解きには参った。
ここまでやってくれれば、シラけるもなにもない。
懸念したようにネタバレされかけたトリックは使われていたものの、それが二重三重にも仕掛けられ巧みに利用されており、ラストの怒濤の謎解きとどんでんにおいては、ちょっとスレた読み手でもどこかで一つぐらいは、あっと声をあげるのではないか。
ご都合主義だとか、非現実だとか言うのは簡単だが、そんなことはこの作品の評価を少しも損なわないであろう。
ミステリのコードを利用しつくし、枠組みの中で遊び尽くし、その枠組み自体をも部品として利用して枠から超え出ようとした意欲的な作品といえるのではないだろうか。
個人的好みからは、満足より☆ひとつマイナスだが、優れた作品であるという評価は変わらない。

明日に続く

いやー、読み切れるかと思ったら読み切れんかった。
というわけで、これから続き読みますのでまた明日?。

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