『深海のYrr 』フランク・シェッツィング
そんなに読むつもりはなかったのだけど、BOOK OFFの105円均一棚に揃ってみつけてしまったので思わず。
ささっと流すつもりが結構時間かかってしまった。500ページ超の3分冊たっぷりのボリュームあるからねえ。
それだけの価値があったかは正直微妙。
ま、溜めて溜めての下巻後半からの怒濤のスペクタクルは、なかなか読み応えあったけど。
場面転換含めてかなり映画的。
SFになりそうでならないというか、結局はパニック映画というか。
それ以外では、あまり複雑な構成の話ではないので、長さの割にはいささか単調かな。
登場人物はたくさん出てくるのだけど、数人を除いてあまりキャラが立ってないので、映画になった方がその点キャスティングで補われるだろうから、そっちの方がいいかも。
試写会、見てきました。
前作よりあんまり盛り上がってないなあ、と勝手に思っていたんだけども、名古屋での試写会、知ってるだけでも3度目。
今日の市公会堂は3Fまでぎっしりの満席で、年齢層も多彩。
そんなにみんな楽しみにしてたのかなあ。結構特殊な映画だと思うのだけど。
さて、感想としては、今作も原作コピー度をいかに楽しむかということに尽きるのだけど、その意味ではひとつひとつのエピソードが短すぎて不完全燃焼気味。
つかそもそもこれ、原作読んでない人、果たして内容ちゃんとわかったのだろうか?
第一作を見てるのは大前提としても、それだけではなんのこっちゃわからん、想像力で補うには無理がある展開になってしまっているのではないかと。
原作の名場面のダイジェスト版みたいな印象を受けた。
だから、TVシリーズでちゃんと尺取ってやるのが最適だと思うんだがなあ。
そうすっと、こんなに予算かけられないだろうってのが難点だが。
シリーズの主人公たるケンジこと唐沢寿明がほとんど出てこない今作、代理主人公のカンナの平愛梨は目力もあってがんばってはいるが、一本の大作映画を支えるにはちょっと荷が重いよね。
オッチョの豊川悦司がストーリー的には裏主人公で映画的には主演となるわけなんだけども、どうもなんだかコスプレ然としていてピシッとこない。
ただ狂言回し役の小泉響子の木南晴夏が鮮烈。
写真見た時から似すぎと思ったけども、仕草や表情からしてどうみても小泉響子本人にしか見えない(笑。
原作でも今パートのストーリーにおける最重要人物であるし、このキャスティングでこの映画の半分は持ちこたえているといっても過言ではない。
そのほか、クリソツキャスティングは今作も冴えていて、仁谷神父の六平直政とかホクロの巡査の佐藤二朗とか、キミ達、この役をやるために神が造りたもうたのではないの、と云いたくなるそのままぶり。
というわけで、2時間20分の長丁場、ぎっしり話が詰め込まれているのでまあ飽きないといえば飽きないのだけども、やはり映画として釈然としないものが残る出来ではあったかな。長いのに慌ただしい、といった印象。
いや、モブシーンとかなかなか迫力あるんだけどね。
おっと初YouTube埋め込みだったり。
ラジオで多分ふんわりこの曲聴いて、〈相対性理論〉ってバンド名が耳に残っていたのでアルバム2枚聴いてみた。
ファーストの「スマトラ警備隊」「LOVEずっきゅん」あたりはなんともわし好みのひねくれポップなキラーチューンだったりして、一気にノックアウトされそうに。
出たばかりのセカンド『ハイファイ新書』まで通して聴くうちになんだかどことなく懐かしさを感じたりもしてきて、これはいったい、と思う内に、テクノ黎明期のニューウェイブポップ(ヒカシューとか)の影が見えてきたり。
調べてみると、そのまさにヒカシューと競演なんかもしてるようでなるほど、と。
歌詞もいい感じですわ。「テレ東」とか「ふしぎデカルト」とかタイトルもヨシ。
アルバム売れてるってホント?
うーん、なかなかエントリーが書けぬねえ。
どうも今は吸収期らしく(ホントか?)、読書量が増えている分、書けなくなっているらしい。
現在は「深海のYrr」を通勤読書中。これがまた三分冊のぶっとい本だったりするし。
家でもあれこれちょこちょこ手をつけているので、なんかちっともまとまらない。
昨年のベストを選ぶことも控えたほど、音楽に対して受け身だった昨今なのだが、ここのところちょっと集中的に聴き始めたものがある。
Doping Pandaとフジファブリックだ。
なにをいまさら、と云われようが、この辺り全然まだ未開発だったのよ。
特にDoping Pandaは、インディーズ時代のファースト"Performation"にガツンとやられてしまって、次に聴いたのがたまたま最新の"Dopamaniacs"だったので、その振り幅に思いっきり魅せられてしまった。
今はその間を揺り戻されながら確認中。
フジファブリックもまともに聴いたのは初で、いやいいねえ。
TVの方はちょろちょろ見てて、年末年始番組のことをまとめて書こうと思ってはいるのだけど、挫折中。
ではまた。
『虚構機関―年刊日本SF傑作選』大森望、日下三蔵 編
どうもちょっとずつSF志向モードがまた戻ってきたようで、いろいろ読んでみたくなっている。
振り返ってみると12年周期ぐらいで自分の中のSF熱が盛り上がってくるような。(なんだソレ)
で、信頼できる編者によりめでたく発刊された新日本SF年刊を早速手に取った。
今回は07年度の作品集で、ついで08年度も出るらしい。
せっかくなのでひとつひとつ感想をとも思ったが、ちょっとしんどいので気に入ったものだけ。
山本弘「七パーセントのテンムー」
ある種危険な思想とも感じるのだけども、この切り口は結構好き。流れるように読める部分もうまい。
萩尾望都「バースディーケーキ」
萩尾望都に全然免疫がなかったので、新鮮。コアなファンの先輩によれば、萩尾望都はこんなもんじゃないそうだが。
伊藤計劃「The Indifference Engine」
骨太な話で読ませる。
他には、恩田陸は語り口に、北國浩二はラストの切れ味に、それぞれ印象を残した。
逆に小川一水、林譲治、八杉将司あたりはイマイチピンとこなかった。
円城塔はすごいのはわかるんだけど、個人的にはいまひとつ合わないなあ、やはり。
これまでいくつかオモシロイと思ったものはあるので、ハマるときもあるんだけど。
うーん、日本SFのアンソロジーを読むなんていつ以来のことだろうか。
『ラーメン道場やぶり』江口 寿史× 徳丸 真人
ずいぶん前に読んだ江口のホームページ上のラーメンに関する対談が本にまとまった。
大半が読んだもので、新作語り下ろしはほんの少し。
まあ、それはいいとしてもその過去の対談が古いのよ、これが。
表紙に「2000-2008」とあるけども、半分以上は2003年までの対談。
ま、それも我慢しましょう。
しかし、この二人のラーメン屋に対する偏った愛情は、ちょっと鼻につく。
辛口、といえば聞こえはいいが、支店を作る店はダメだの、並ぶような店はちょっとだの、中年親父の紋切り型批判でしかない。
あれこれ差別せずに、もう少し広い心でラーメン自体を愛してもらいたいものだ。
畢竟、読んでいて苦々しい気持ちになる。
...と、自らのラーメンブログに即跳ね返ってくるようなことを書いてしまったが、やはりどんなにひどいかを読むよりどんなにおいしいか素晴らしいかを読む方がいいよなあ、と見識を新たにした次第。
なお、名古屋編で懐かしき「三吉」が取り上げられているが、巻末のレビューに載っている住所データは「らーめん三吉@荒畑」のもの。
紛らわしいのがいけないのだが、基本的に(関係はあれど)まったく別の店なので、改版があれば訂正をお願いしたい。
この本で取り扱われている「三吉」はもう存在しません。
『ラットマン』道尾秀介
『カラスの親指』が大変よかったので、昨年のもう一作であるこちらも読んでみた。
これまた大変よろしい。実に具合がよい。
直木賞候補にもなってしまった『カラスの親指』の方がカラッとしていて親しみやすい感じがするかもしれないが、かといってこっちの『ラットマン』がウェットで後味が悪いという程のことでもない。
ただ多少そういう印象を受けるかもしれないね。
もちろん仕掛けのための必要条件となってるということがあるからなんだけども。
長さも程よく、スパッと終わる。
この感じ、好きだわあ。
お年始に廻る日々でなかなか落ち着きませんな。
子供達はお年玉がもらえてホクホクですが。
会社に呼び出しがかかったりもするし。
相変わらず録画はたまる一方。
楽しみにしていた『ドリームマッチ』は我慢しきれずに途中からだけど生視聴。
W王者はさすがの貫禄だったねえ。ある意味完璧なコントw。(ちょっと古いけど)
最後の組もすごく良かった。
ちゃんと全部見たらもすこしレビューするかも。
おめでとうございます。
更新頻度を少し上げられるといいなあ、と願望。
絵に描いたような寝正月ではありましたが、午後遅くから近くの神社に初詣に出かけ、その後単独でBOOK OFF巡りをした元日。
BOOK OFFはもちろんセール狙いでしたが、狙ったセールをやってなかったり、やってたにしても獲物がほとんどなかったりで、収穫なし。
夜は、昨晩録画をした「吉本7時間スペシャル」を半分ほど堪能。
今年も見所満載。
昨晩は「紅白」メインの「ガキ」ちら見という構成。
その後も基本娘達がチャンネル権を取り、ジャニーズで年越し、カウントダウンとスリーシアターをザッピングということで、日テレとテレ東は録画に頼ります。
フジは元旦の分もほとんどまだ見てないなあ。
どうする録画トータル20時間分ぐらい既にあるのでは。31と元日分だけで。