うーん、待った?。
『ストリート・キッズ』に始まるドン・ウィンズロウの傑作シリーズ「ニール・ケアリー」物の第4弾。
6年振りだって?
僕がこのシリーズを読み始めたのは、ちょっと遅れて2000年末から2001年にかけてのことだったと思うが、それからでも4年経ってるわけである。
原著はとうに出版されている物なので、翻訳が止まっちゃったのはいったいどうしてかなんて追求はとりあえずよすとして、まずは再びこのシリーズが読めるのを喜びたい。でも残すはあと一冊らしいが。
今回は『マイ・フェア・レディ』風のエピソードを下敷きに、大悪党、小悪党、愛すべきチンピラ探偵、どこか間抜けな殺し屋等入り乱れてのドタバタ編である。前3作に比べて圧倒的に軽い。
この軽さは何なのか。
ニールの内面描写も最小限。これまでのシリーズで数々の試練・苦難を乗り越えてきた後に残ってきた苦さがほとんど感じられない。ほとんど狂言廻し的な役割ともいえる。
じゃ、面白くないかというと、これが面白いので困るのだが。
後日譚的な性格を持つという次作にその理由はあるのだろうか。
これでやっと今作に出てきたキャラ、ウォルターがスピンオフした作品、『歓喜の島』が読めるぞ!
しかし、久々に創元推理文庫買って、改めて思ったけど、高いねえ。
400ページに満たない文庫が1000円オーバーですよ。トホホホホ。