先日、BOOKOFFに行って棚を眺めていたら、どう見ても読んだ形跡のない新品同様のキレイな一冊が目に入ったので、思わず買ってしまった。800円。ラッキー。
言わずとしれたベストセラーであるが、あまり予備知識なく読み始めた。といってもシンプルな話なので、予備知識も何もどんな内容の話なのかは大体わかっている訳だが。
子供の頃の廃院になった病院を改造した住居で暮らしていたとかいう話は、以前にもエッセイか何かで読んだなあ、と思いつつ淡々と読み進む。
飾り気のない文章だが、すっと胸の内に入ってきて澱むところがない。
いやしかし、この本の評価は、読み手の母親との関係の持ち方によって結構左右されるのだろうなあ。
母一人息子一人の環境で育った僕のようなものにとっては、作品として冷静に距離を取れない類の話である。
読み終わって、恥ずかしながら、母親を今までより大切に扱おうと自らを省みた。