『文学賞メッタ斬り! リターンズ』大森望×豊崎由美

文学賞メッタ斬り!リターンズ
あー、おもしろかった。
ヘタな小説読んでるより面白くて、書いてある内容はまったくもって遠慮がない。
オットロシクしくて小説なんて書いてらんないでしょ、作家の方々。そーでもないですか。
でも少なくとも作家志望者の方の一部はこれ読んでトラウマになっちゃったりとかないかなあ。そんな柔なヒトはそもそも向いてないか。
しかしまあ、ホントによく読みますな、お二方。というか、ここに揚げられた本はそのごく一部に違いないわけで、もうなんというかその物量だけでも信用に値する。
特に大森氏の一部からすべてを掴みとる頭の良さには常々敬服する次第。その頭がこんな読書を可能にしてるのか、このような読書がそんな頭を作ったのか。
それはともかく、内容というより構成に注文あり。
ROUND4は芥川・直木賞発表直前&直後のコメントおよび予想対談記録なのだが、これの後にROUND2を持ってきて欲しかったかな。ROUND2は選考委員の選評に対して毒を吐いているわけで、時間軸的にもその順番のほうがしっくりくるのだけども。
そのROUND4が全体の3分の1ぐらいを占めるということもあって、今回は芥川・直木賞にちょっと偏りすぎたきらいがあるかな。ま、最大のイベントなんで致し方ないのかも知れぬが、も少し他の賞のことも知りたかった。1冊目でやりきった感はあるのでしょうが。
たぶん、第3弾も出るのでしょうが、とりあえずお楽しみということで。

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