クリスティーを読むなんてのは、おそらく四半世紀ぶりぐらいだろう。
とはいうものの、当時にしてもそれほど数を読んだわけではない。
ちょうど映画化された『ナイルに死す』をはじめポワロものを数冊、『そして誰もいなくなった』、それにどういうわけか『自伝』を読んでいる。
マープルものは未読。
他にも膨大な著作の大半が未読といってよいが、ミステリベスト企画の常連であり、古典的な名作と呼ばれる今回読んだこの2冊および『アクロイド殺し』もそのうちに入る。
ご他聞に漏れず、ミステリを読み始めたごく初期の段階において、各種入門書や評論等でネタをわられていたため、なかなか読む気になれなかったからだ。
いつかは、とは思っていたのだが、なかなか改めて読もうというタイミングは来ないもので、先日図書館にて入荷したばかりの真新しいクリスティー文庫を新着図書の棚に見つけたのでこりゃ良い機会と借りてきて続けて読んだ。
正直に言ってやはり評価しづらい。
『オリエント急行』は雰囲気を楽しんで読んだが、非常に遊びのない求心的な話ですなあ。筋がストレートというか。結末にまっすぐ進んでいくという感じ。
クリスティーってこんな感じだったかなあ。
『ABC殺人事件』に関しては、ジュブナイルで読んだ筈なんだけど、まったく筋運びに記憶がない。とはいえ、真相というか枠組みはやはり古典であるが故にわかっちゃっているので、ああやはりそうだよなあ、と思いつつ読み進む感じ。
もちろん良作だとは思うし、その古典的価値を否定するものではない。
それどころかやはり実際読むことによって、その古典的価値というものも実感できるのだなあということは改めて感じた。
しかし僕が今読むということに関しては、確認作業でしかなかったかなあ。
『アクロイド殺し』読んでもたぶんそうなんだろうなあ。
『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』アガサ・クリスティー
Track Back
- Track Back URL