なんというか、不思議な小説だなあ。
ストーリーに救いはほとんどないのだが、陰鬱一辺倒かというとそうでもなく、なんか諦めというよりもある種の無感動というか、呑気といってもいいような空気すら漂う。
淡々としてるといえばいいのか、なんというか。
シビアといえばものすごくシビア。
月並みな言い方を借りれば、「愛」というものの現実的な一面を描ききってるとも云えるのか。
そもそもここに「愛」があるのかさえ、わからない。
成瀬巳喜男監督による名画の原作だが、映画は未見。
一度どんな感じなのか見てみよう。