『賢者のデジタル』山根一眞

賢者のデジタル
日本経済新聞にて10年間に渡って連載中の「デジタルスパイス」というコラムより、抜粋・再構成した書。
著者はノンフィクションライターだが、取材でデジタル機器を初期から駆使しており、その分野でもお馴染み。
これを読んで感じたのは、デジモノの進化は凄まじいが、記録というものに関する安全性はなおざりにされているということ。
保存メディアは年々驚くほどに大容量化、低価格化されていくわけだが、以前のメディアに保存したデータを移し替えるということに関する、圧倒的なめんどくささは変わっていない。
また、クラッシュに備えた保全性も個別対策に任され、抜本的な解決案が提示されていないといえよう。
便利さに隠れた不便さを、どんどん露わにしていくべきであろう。

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