『世界の終わりの終わり』佐藤友哉

世界の終わりの終わり
ちょっと前から気になっていた佐藤友哉を図書館の新着コーナーで捕獲したので、早速読んでみる。
実はちょっと前に『灰色のダイエットコカコーラ』を同じく図書館で借りて読みかけて挫折している。
正直、タイトルからしてイタい感じがプンプンして、普通だったら手に取らない。
セカイ系っていうんですか?
たぶん読んだことないけど、きっと合わないタイプのあの系統なのかなと恐れつつ読み始めたのだが、いわゆるセカイ系の定義からはちょっと外れる作品のようである。
とはいえ、ホッとはできない。
脳内妹とかがいきなり登場しており、苦手な世界に引きずり込まれることになる。
作者自身をモデルにしたかと思われるデビューしたもののまったく本が売れず作家を続けることができなくなって悶々とする主人公が、幼い頃死んだ妹の呪縛で北海道で引きこもりをしていたのだが、一念発起して東京に居を移し、そこでひょんなことから出会ったこれまた妹系の少女に振り回され....。
うーむ、恥ずかしいというか、いたたまれないというか、イタイというか、おじさんにはちょっとツライ描写が続くわけなのだが、中盤に差し掛かる頃からリーダビリティの高さもあいまっていっそ楽しくなってくる。
しかしながら、終盤になり収束というか尻つぼみというか逆にある意味拡散するかのように物語が終結していくわけだが、あまり感心しなかったなあ。
まあ、タイトルから予測される範囲の話だったわけねぐらいの感じ。
笑えたのは、角川から出版されている本の中で、講談社LOVEとわめいているところだったり。
なんか妙に引き込まれる部分もあって、切り捨てられない感じはあるので、もうちょっとつきあってみるかな。

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