角田光代を読むのは「空中庭園」以来、2冊目。
直木賞受賞ということで有名な作品で、評価も高い。
途中までは、その評価に頷きながら読み進めたのだが、終盤手前あたりからどうもいまひとつノレなくなる。
いや、筆はなめらかで読み進めることになんら苦痛はないのだが、ちょっと白けた感じになってしまったのだ。
女性ならばわかる(はずの)、女性同士の友情の機微や関係性が巧みに描かれているとは思うのだが、その描かれ方がソツのない感じというか...。
わざわざそんなこと言うのもどうかと思うほどの良作とも思うのだが、男だからこっ恥ずかしいのか、なんだかわからないんだけど。
だから、ラストの丸め方も、物語を追う者としてはホッとする反面、それで万事収まるわけじゃないよね、と嫌みのひとつも言いたくなるのだ。
『対岸の彼女』角田光代
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