読書の感想をまたずいぶんサボッてしまった。
溜めれば溜めるほど記憶が薄れていくだけなんだけどね。
ま、とりあえずここ1ヶ月ばかりの分からピックアップ。
注目を浴びてスタートした池澤夏樹版「世界文学全集」の第一弾ということで、青山南による新訳。
最初快調にすいすい飛ばして読んでいたのだが、中盤あたりから突然退屈になってしまい、どうにも乗り切れぬまま読み終えた。
広範囲に影響を与えた名作と評されるが、少なくとも僕には影響を与えなかったようだ。
宮沢章夫の文章は好きで、一頃は結構読んでいたのだがこのところはご無沙汰だった。
といっても、この本は文章ではなく講義録なのだが。
近年、オタク側から語られることの多い80年代を、一方の華であったピテカン系の立場から「かっこいい」面を中心に語り直したという趣向。
講義中、ちょくちょく大塚英志の『「おたく」の精神史』が引き合いに出されている。
YMO、スネークマンショー、宝島、岡崎京子等々、「なにもかも皆懐かしい」のだが、いかんせん当事者の自慢話(当人にそのつもりはなくても)に聞こえてしまうのみで、果たして宮沢が伝えたいという「かっこよさ」が、今の若者にちゃんと伝わるのかは疑問。
ちょっと前からディックを読み直していきたいと思っていたので、実行に移す第一弾。
おそらくディックを読むのは15年ぶりとかそんな感じ。
で、25年ぶりぐらいに読むこの作品は、ディックにしてはよくまとまっていると評される代表作の一編で、断片的にしか筋を覚えていなかったが確かにおもしろい。
でもなんかこじんまりとした印象だなあ。
サンリオ
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再読はもちろんだが、実は未読も多くて、そこら辺りも消化していこうと、まずはサンリオ文庫ディック第一弾のこの作品。
おもしろさは中ぐらいかな。
待ってましたのプリースト短編集だが、結論から言うとこの人の場合長編の方が好きだなあ。
とはいえ、表題作と「青ざめた逍遥」はよくできた時間SF短編だと思うし、ドリームアーキペラゴ連作に漂う不思議な雰囲気も忘れがたい。
集中三編選ぶとすれば、「青ざめた逍遥」「火葬」「奇跡の石塚」かな。
結構楽しめたし、スペキュレーティブフィクションに興味のある人なら当然買い、である。
まずまず面白く興味深かったのだが、途中『砂の器』を延々と論じたところがあって、未読なんで参ったなあw。
いまさらのベストセラーなんだが、ブックオフで1冊100円ならぬ3冊で100円でワゴンセールされていたので、思わず買ってしまった。
そこそこ楽しませてくれるだろうという期待のもと読み始め、まずまずその通りではあったものの、冒頭から中盤までが一番楽しめたかなあ。
後半は期待ほど盛り上がらない。
色川武大は一時集中して読んで虜になり、今でも大切な作家の一人である。
この書は残された夫人が在りし日の生活を追想し書き綴ったエッセイ。
色川作品でいえば『離婚』や『恐婚』はたまた『引越貧乏』あたりの裏側が描かれており、なにかと興味深い。
その夫婦形態はもとより、生活そのものがやはり並ではなかった、と改めて実感。
Comments [2]
新家龍壺さん
ダ・ヴィンチ・コードの原作は、かなり印象に残る内容と展開でしたが、映画がナンともまぁ薄っぺらで残念でした。
elekingさん
激遅のコメントでごめんなさい。
映画、薄っぺらでしたか。
地上波ではこないだやったばかりでしたっけかね。
また機会あれば、ちら見してみます。