『テンペスト』池上永一
池上永一はいつかは読まなきゃいけないなあ、と思いつつこれまで未読だった作家。
『シャングリラ』とか『レキオス』とかその都度興味を惹かれてきたのだけども、そのままになっていた。
この『テンペスト』も発売当初から話題作となっている。
思い切って先にこちらから読むことに。
おお、こんな感じなんだ。
まあ確かに高低差の激しいジェットコースター的展開の小説である。
滅びゆく琉球王朝の史実を背景に縦横無尽に物語が進行する。
その史実に馴染みがない読者であるほど、この小説をよりファンタジックに受けとめて、絢爛豪華な宮廷世界の描写に翻弄されつつ登場人物達の動向に一喜一憂できるかもしれない。
しかしながら多分にマンガ的な描写・表現が一度気になってしまうと、書き込みの物足りなさや薄っぺらなロマンスや借り物の設定等が透けて見えてきてしまう。
そこをエンタメと割り切って読めば十二分に楽しめるし、そういう意味ではかなり映像作品向きと云えよう。
寧温/真鶴役に一番誰がハマるのか、さっきから考えているのだが最近の女優に疎いし思い浮かばん。
黒木メイサとかかなあ。(もうすぐ川島芳子役やるみたいだけど。)