この本の原本のことはまったく知らなくて、このちくま文庫版が平積みされているのを見て、藤木TDCの名前に反応して購入。懐かしい名前を見た感じ。
まあ、B級グルメ探訪本と一口で片付けてしまおうとすればしまえる本なのだけども、戦後闇市の歴史をひもときつつその名残を色濃く残した飲み屋・食い物屋を中心に廻っているのが特色か。
しかしながら、この手の本としては写真がモノクロのみで見にくいのが致命的。原本はどうだったのだろうか。
記述もその欠点を補うには至らず、いたずらに粗食・貧食を礼賛するばかりで懐古主義の戯言と読み流してしまう箇所も多い。そもそもこの著者の二人、僕と2?3年歳が上なだけなのに、あの頃の食い物はこうだったなんて片腹イタイ。所詮後追いに過ぎない筈なのに。
まあ、そこをしっかり目をつぶって読めば、そこそこ面白いし、街の歴史コラムは簡潔にまとまっていて興味深い。
総体的に1冊の書物としては、少し期待ハズレ。連載記事で気楽に読みたい感じ。
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