多治見の名店とホワイトデー

多治見に行ったので、このときとばかりやっと宿願の店を訪れる。
信濃屋である。
週のうち日、月、火の3日を仕込みの日として、残りの4日しか店を開けない。
しかも営業時間は、昼の11時から2時か3時というなかなかハードルの高い店。
麺類好きなら一度は訪れておきたいと云われる店だが、いつもながら重い腰がずっとあがらなかった。

多治見といえば行きたくなるあの店へ寄ってから、2軒目として訪れる。
なかなか風格のある店構えだなあ。
暖簾をくぐり、引き戸をがらっと開けると、想像していたよりさらに狭い。
土間に4人がけのテーブルがひとつ、その脇の狭い小上がりに卓がふたつ。
奥に座敷があるが、2卓ぐらいだろう。
平日の2時前ということもあってか、先客は2組。
テーブルにとりあえず腰掛けると、おばさんが出てきて「どういたしましょうか」と注文を取る。
といっても、うどんと香露かけと支那そばしかない筈だが、この時点でまだ店内のメニューを確認できていない。
少し腰を浮かせ気味に、ここにやって来る人が頼む定番の注文を真似て、「ころと中華そば」と注文。
あとでここは中華そばでなく支那そばと呼称するのだったと気付いたが時既に遅し。メニューは奥の座敷のとの間の壁に掲げてあった。
とはいえ、おばさんは特に気にする様子もなく奥へ引っ込んでいった。
あまり待たないうちにまず、香露かけが登場。
ちいさな丼に太い麺と濃い色の汁。ねぎとごまが少々のるのみ。

麺は想像していたものと違い、腰の強さだけで食べさせるものではない。
表面は非常に柔らかく、伊勢うどんのような感覚もある。口の中でほどけていくような感じ。
それでいて芯があり、その部分がもっちりとした歯応えを感じさせる。
汁は色は濃いが、上品ともいえる味。辛いと云うよりほのかに甘ささえ感じる。
途中で主人が出てきて、「濃さの方とか調節しますが、いかがでしょうか」と腰を低くして聴いてくれる。
特に問題ないので、「おいしいですよ」と答えると、安心した表情で引っ込んでいくのだが、これを一人一人に一杯ずつやっていることに後で気付く。これはすごいわ。
ころなので当然冷たく、あっという間に食べ終えてしまう。
もっと味わって食べれば良かった。
箸を置いて待っていると、すぐに支那そばが運ばれてきたが、この感想は「ら」の方で。

帰りに家族へのホワイトデーのお返しで、バスを「天白消防署」で途中下車。
次のバスが来るまでに、バス停の目の前にある「洋菓子庭木村」に飛び込んでケーキを購入。さすがかき入れ時。もう少し後の時間だったら、売り切れて何もなくなっているぐらいの感じ。

家に持って帰ると、あれがいいこれがいいとあみだくじを作ってワイワイ言いながら選びあって、結局は少しずつ交換し合いながらすべての種類を味見して、満足している様子。
ここのケーキは、今のところハズレなし。
今日の中では、ポム・ド・テールというじゃがいもとホワイトチョコのケーキが、口当たりもよく、一風変わっているがかなりウマイ。
どれもオススメ。

Track Back

Track Back URL

コメントする

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)

このページの上部へ

姉妹サイト

シネマエレキング
映画観た記録をだらだらと。

サイト内検索

最近のコメント

Powered by Movable Type 5.12