予習のつもりで読んだ『コンピュータ・コネクション』でメゲてしまっていたので、すっかり読む意欲を失っていたのだが、図書館でうっかり見つけてしまったので、こりゃあやっぱ手に取らざるを得ない。
結果、読んでよかった。
まごうことなきヘンな小説ではあるが、読むのを恐れる必要はなかった。
まあ、とりあえず一通りは笑って読めばいいのではないか。
とはいえ、素晴らしい訳文のせいか非常にリズム良く読み進めることができるにもかかわらず、いろんなノイズが邪魔をして読みにくいという矛盾した一面も持つ。
そのノイズはこの小説自体からのものというよりかは、読んでるこちらの頭の中から湧いてくるものといったほうが適当だろう。
何かを語ろうと思っても言葉を奪われた感じでうまく言い表せない。
そういった意味でも、ある意味モリモリ元気が出てくる小説である一方、気分が萎え気味になったりもして、読書中の感覚としてはわけわかんない。
ま、いろんなものを連想したりもするわけで、僕としては、トボけたいけしゃあしゃあとした感じとか中原昌也なんか思い浮かべたり、図版のところで『猿飛佐助』の杉浦茂を思い出したり。
また、ちょうどプリンスのアルバムをいろいろかけながら読んでいたのだが、猥雑で雑多な感じがなかなかマッチしていていい感じ。
んー、結局なんだかわからない感想であるわけだけど、これでも手元においてたまに読み返したいと思わせる程には気に入ったのだけどね。