滅びゆく荒廃した世界を父と子が、ひたすら歩み続ける。
ほとんど手に入らなくなった食糧を求めて、暖かい土地を求めて。
雨は容赦なく降り注ぎ、雪は降り積もり、夜は真の暗黒という過酷な状況、人を殺めて食糧にする一群も存在するほどの凄惨な世界だ。
緊迫した場面の連続でありつつも、物語は淡々と進む。
濃密な描写で一文たりとも読み逃せないと感じさせるにも関わらず、リーダビリティが高くよどみなく読めるのはそのせいもある。
立ち止まってはいけないのだな。とにかく進まないと。
安住の地はどこにもないのだから。
読まねばならない本が山積みなのだが、思わずお先に読んでしまった。
オススメ。