数ヶ月かけてちょびちょび読んでいた。
老優である名探偵中村雅楽もの、600頁超の全18短編を少しずつ。
もったいなくてゆっくり読んでいた、というよりは、続けて読むと正直ちょっと飽きる感じ。
端正な文章と歌舞伎・演劇の蘊蓄の絡みは味わい深いとも思うが、ずいぶんと淡泊で口当たりがさっぱりしすぎていて、いかに高級魚でも毎日白身魚ばかりでは飽きるってもんで。
たまには脂っこいものも食べたいし、ふざけるとか冗談とかとは無縁な感じの四角四面の雰囲気もいささか堅苦しくなってくる。
トリックに唸るというよりかは、その使い方見せ方の妙を見るような感じの作品が多い。
まずまず楽しめたけど、全集の続きを読むのはしばらく後でいいかな。
『團十郎切腹事件』戸板康二
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