本のコト 一覧

先月読んだ本 - 2012/06

相変わらず冊数少ないけども、徐々にリハビリ進んでるかなあ、という感じ。未読の宿題大長編にも手を出せたし。


6月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:2126ページ
ナイス数:15ナイス

人間仮免中人間仮免中
これまでの経緯からして完全に怖いもの見たさで手に取った自分であったが、そんなことよりまずマンガとして優れている。そして自らの統合失調症に対する偏見がガラガラと崩れ去った。マトモであることと壊れていることの境目は一体どこにあるのか。あらゆる境界なるものが無意味に思えてくる一冊。
読了日:06月02日 著者:卯月 妙子
名人―志ん生、そして志ん朝 (文春文庫)名人―志ん生、そして志ん朝 (文春文庫)
既発表の文を中心に再構成された本だったんだなあ。まあ、全集の出ない小林信彦にとってはこうした本も必要。本文のみならず、森卓也の解説(ではないけど)も秀逸。
読了日:06月11日 著者:小林 信彦
夜の国のクーパー夜の国のクーパー
面白くないとは云わないが、ちょっと今の自分にはしっくりこない小説。すべてが上滑りしたままの読後感。『あるキング』とかは良かったんだけどなあ。
読了日:06月14日 著者:伊坂 幸太郎
ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:06月25日 著者:コニー ウィリス
ドゥームズデイ・ブック〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)ドゥームズデイ・ブック〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
前半はちょっと引き延ばしすぎなんじゃないか、物語が動かないなあ、と不満に思いつつ読み進めていたのだが、後半過ぎた辺りからそこまで丁寧に紡いだ糸が見事な模様を描き出しているのに気づいた。ラストの巧さも光る。
読了日:06月30日 著者:コニー ウィリス

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

先月読んだ本 - 2012/05

あらま、びっくりの3冊。
これ以外にも読んではいたものの、読了はしなかったので。
とにかく今、フィクションが全然読めない。
キングはそのリハビリのつもりで....。
遂に「残してある作家」に手をつけてしまった。

5月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1299ページ
ナイス数:11ナイス

壊れかた指南 (文春文庫)壊れかた指南 (文春文庫)
語り口、切り口。いまだにハッとさせられる。「耽読者の家」は読書マニア必読。もっともっと小説が読みたくなる。
読了日:05月08日 著者:筒井 康隆
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
雰囲気も描写も好きなんだが全編のれたわけではなかった。ところどころのエピソードやイメージは気にいっており、いつか再読したいなあ、とは思っている。
読了日:05月21日 著者:飛 浩隆
ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)
端役にも厚みを持たせる書き込みと、土壇場の迫真の描写はさすが。
読了日:05月31日 著者:スティーヴン キング,Stephen King,浅倉 久志

2012年5月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

先月読んだ本 - 2012/04

読み終わったのはたった4冊。マクドナルドにかなり時間がかかった。
読みかけのはまだあるけど。

4月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1518ページ
ナイス数:8ナイス

ベスト・オブ・映画欠席裁判 (文春文庫)ベスト・オブ・映画欠席裁判 (文春文庫)
個人的にまったく映画を観てなかった時期なので大変ベンキョーになる。ベスト・オブ~じゃなくて三冊全部文庫かしても良かったんじゃないかねえ。
読了日:04月04日 著者:町山 智浩,柳下 毅一郎
いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)
神林を読むなんて何年ぶり.....。読んでない時期の長編をちゃんと読みたくなった。
読了日:04月09日 著者:神林 長平
サイバラバード・デイズ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)サイバラバード・デイズ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
ハマると面白いだろうな、と思わせるが体調不良だとなかなか難物。
読了日:04月25日 著者:イアン マクドナルド
後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)
SFM掲載時に読んだ「銀河帝国~」が結構好きなんだよなあ。ネタ的ではあるけれど言葉の配列、選択、リズム感に、凡人にでも才能を十分感じ取れる。
読了日:04月29日 著者:円城塔

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

先月読んだ本 - 2012/03

いやあ、アップが遅れました〜。
近日中にここもそろそろなんとかしますー。

3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1809ページ
ナイス数:18ナイス

あんぽん 孫正義伝あんぽん 孫正義伝
孫正義の出自に焦点を当てて描いた評伝。しかしながら読後感は孫の一代記を読んだという感想は薄い。その父・三憲の印象の方が強烈で、また著者がその引力に引き寄せられているせいであろう。『東電OL~』を読んだ時に感じたのと同様に、この著者独特の頑なさに多少の違和感を感じつつも面白く読んだには読んだ。
読了日:03月04日 著者:佐野 眞一
戦後SF事件史---日本的想像力の70年 (河出ブックス)戦後SF事件史---日本的想像力の70年 (河出ブックス)
知ってること知らないこと含めて興味深くは読めたが、タイトルから想像できるような網羅的な内容とは言い難い。SF周辺部への目配せが「アングラ」や「幻想小説」等に偏っているのも著者の嗜好なのだろう。つまりはタイトルに対する違和感が大きい。
読了日:03月06日 著者:長山 靖生
野蛮なやつら (角川文庫)野蛮なやつら (角川文庫)
んー、このウィンズロウには個人的にはちょっとノレなかった。あんまし彼にはスタイリッシュな部分を求めてないかもしれない。初期作の方がどうしても好みだもの。
読了日:03月08日 著者:ドン・ウィンズロウ
今夜、すベてのバーで (講談社文庫)今夜、すベてのバーで (講談社文庫)
昔読んだつもりでいたが読んでなかった。アルコール依存症について割と真面目に描かれた作品。それでいてリーダビリティが高く、物語としても読ませる「らも印」。
読了日:03月16日 著者:中島 らも
映画長話 (真夜中BOOKS)映画長話 (真夜中BOOKS)
もっとスノッブな会話を予想していたが、そうでもなかった。あまり構えて読まなくても大丈夫w。
読了日:03月26日 著者:蓮實 重彦,黒沢 清,青山 真治

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

先月読んだ本 - 2012/02

えー、毎度おなじみ、月イチ更新の時間がやってまいりました。
今月も低調。というか読み残し多数なんだけど。
特に「木村政彦~」はのんびり読み過ぎて年またいでしまったほど。
ブログもきちんと更新したいけど、もうしばらくはこんな感じかなあ。


2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:2091ページ
ナイス数:17ナイス

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)
設定は大変興味深く、あれこれ連想するのも楽しかったが、肝心のストーリーにノレなかったので(文章にも)、読み進めるのに苦労した。登場人物表はつけて欲しいなり。
読了日:02月02日 著者:チャイナ・ミエヴィル
道化師の蝶道化師の蝶
表題作は、書くという行為に関する考察を織り込んだメタフィクションであり確かに難解かもしれないが、従来のようにガチガチのハードではなくソフトな印象。 構築するそばから崩れゆく言葉-意味と飛び回る蝶のイメージを重ねた書き紡ぐことについての具象化は、氏の小説を読む時にいつも読み手である私が感じるイメージでもある。文章を読み進む先からどんどん意味-言葉が逃げていかれるような。それが今回説明されたようで実に面白かった。「松ノ枝の記」もさらに良い。読み解くべき要素は諸々含まれているが、ただ単に読み進めるのみでも面白い
読了日:02月06日 著者:円城 塔
警備員日記警備員日記
警備の仕事を活き活きと、そしてそれにまつわる人間模様を綿密に描き上げた佳作。著者の客観的なスタンスは、その実、中に居た人のリアリティに裏打ちされており、その抑制された筆致が警備の仕事に就く仲間達への軽蔑と愛情の相反する感情を浮き彫りにさせている。
読了日:02月10日 著者:手塚正己
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
意図的にかなり時間をかけてちまちま読んだのだけども興味が持続し、かつ最後まで面白かった。正直、個人的には明るい分野ではなく、知識として断片的にしか知らなかったことも多いが、それらのことも客観的に角度を変えて詳述されているので、気後れすることなく読み進めることができる。ラストは想像以上に、いや、なかなかのもの。
読了日:02月19日 著者:増田 俊也
第六ポンプ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)第六ポンプ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
やっぱり注目株だね。間違いのない作品集。個人的にはねじまき世界ものはやや苦手なんだけど、あの世界観が好きな人は存分に楽しめる作品が2篇。僕が良かったのは、表題作、「やわらかく」、「ポップ隊」あたりかなあ。まあ全般的に楽しめた。
読了日:02月25日 著者:パオロ・バチガルピ

2012年2月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

先月読んだ本 - 2012/01

読みかけの本ばかりで読了本が少ない。
ま、読書自体低調だったんだけど。
ここもちょっと更新再開させようと思ってるんだけど、思うばかりでなかなか。


1月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:811ページ
ナイス数:7ナイス

浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~ (マイナビ新書)浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~ (マイナビ新書)
巻末の参考文献一覧にあるような本をぽつぽつと読んで得てきた断片的な知識をおさらいするつもりで読み始めたのだが、新書にあるまじきw濃密な内容で、単にそれらの文献の内容を寄せ集めただけではなく150年に渡る大きなうねりを再構築して提示する手腕に感心。だから読んでて面白い。著者のまだ書き足りないという気持ちが伝わってくる良書。
読了日:01月13日 著者:中山 涙
レヴィナスと愛の現象学 (文春文庫)レヴィナスと愛の現象学 (文春文庫)
レヴィナスを擁護する弁護士ウチダという趣き。なかなかわかりやすい。
読了日:01月18日 著者:内田 樹
共喰い共喰い
過去作はしばらく前に読んでいたが、久々に表題作を読んで、ありゃ、こんなオーソドックスだったっけ、田中慎弥って、とまずは思った。芥川賞を同時受賞した円城作品とは対照的に明確にあらすじが抽出できる話である。描写は濃密で会話が方言のせいもあってややねっとり。作中でてくる《子どもたち》がファンタジックな存在に思えるのはワザとなのか僕がそうと読めただけか。「第三紀層の魚」の方は地味な話だなあ、と読み進めつつもそこはかとなく良い読後感。
読了日:01月29日 著者:田中 慎弥

2012年1月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

読んだ本−12月

本年もよろしくお願いします。

と書いたものの、ここを復活させたはいいがなかなか長い文章を書く気分になれずに、相変わらずTwitterに垂れ流すのみの毎日。
DVDを観ては寝落ちするし、本も途中挫折が多い。
読みかけの本が何冊も出来るばかりで、先月読了は4冊というていたらく。

いやあ、今年こそはもろもろエンジンかけていきたいものです。


12月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1185ページ
ナイス数:14ナイス

物語論 (講談社現代新書)物語論 (講談社現代新書)
作家・漫画家・クリエイターの創作ノートとして興味深い。しかし橋本治の言葉にはいつも様々なヒントが隠されているなあ。
読了日:12月02日 著者:木村 俊介
人生作法入門 (河出文庫)人生作法入門 (河出文庫)
タイトルがいかにもナンだが、別に人生論の本ではなく、山口瞳の単行本未収録エッセイを収めた本。本にまとまった比較的手に入り易い山口瞳のエッセイをあらかた読んでしまった自分には有り難いが、寄せ集め感はあるなあ。というより、なぜ初出の記載が一切ないのかそれが大いに不満。河出文庫たるものなにをやっておるのか。
読了日:12月03日 著者:山口 瞳
キングを探せ (特別書き下ろし)キングを探せ (特別書き下ろし)
堪能した! ずいぶんシンプルな作品に感じるが満足度が高い。熟練の語り口とかなり整理された構成によるものであろう。パターン化しがちな構成に溺れずに謎への求心力を保ちつつ必要なことのみを描ききる潔さにも好感を持った。
読了日:12月09日 著者:法月 綸太郎
殺人者の空 (山野浩一傑作選Ⅱ) (創元SF文庫)殺人者の空 (山野浩一傑作選Ⅱ) (創元SF文庫)
マイオールタイムベスト短編の「メシメリ街道」を久しぶりに再読。恐れていたとおり以前ほどの衝撃は感じない。でもやはり好きな作品。この集はかなり観念的な作品が多く、そうしたものは少し苦手かな。「開放時間」とかそっちの方が好き。
読了日:12月14日 著者:山野 浩一

2011年12月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

読んだ本−11月

先月は読書低調だったなあ。
というかDVD鑑賞も9本と低調。とにかくなんだかよくわからないけど、自分の机の前に座ると寝落ちばかりしていたなあ。
その割に劇場での映画鑑賞は5本と過去最高レベルだったりするのだけど。
本の話に戻ると、積ん読に関してはいまさらどうこう言うレベルじゃ元々ないんだけど、新刊の積ん読がやや増え気味。
古本の積ん読はもう諦めてるのだけど(キニなったものは予算が許せば手当たり次第買ってしまうので、機会があれば読むというスタンスw)、新刊で購入したものに関しては出来る限り消化したいと思ってるので.....。
頑張りますw。

11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1495ページ
ナイス数:21ナイス

私のいない高校私のいない高校
物語らしい物語のないこの小説に主人公たる「私」はいないのかもしれないが、作家たる「私」は強く存在していることが感じとられた。退屈といえば退屈なのだが面白いといえば面白い。ヘンな作家だなあ、やっぱりw。
読了日:11月10日 著者:青木 淳悟
ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
これまでに何度もキリスト教について「お勉強」しようと思って挫折してきたが、この本を読んで「お勉強」でない形で知りたかったことを知ることができた。特に第一部において宗教とはなにかという永年の疑問についても考えるヒントを多々得られた。読んで面白い。
読了日:11月16日 著者:橋爪 大三郎,大澤 真幸
鳥はいまどこを飛ぶか (山野浩一傑作選Ⅰ) (創元SF文庫)鳥はいまどこを飛ぶか (山野浩一傑作選Ⅰ) (創元SF文庫)
「赤い貨物列車」「カルプ爆撃隊」「首狩り」がマイベスト3かな。「X電車」もいいけどね。
読了日:11月23日 著者:山野 浩一
量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書)量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書)
物理オンチが読んでも大丈夫かなあ、とおそるおそる読んでみたが、割にスラスラ読める!......と思っていたけど、やはり途中でググッと難しくなる。やはり科学哲学はハードルが高いなあ。
読了日:11月30日 著者:森田 邦久
贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
手記&告白で構成していく著者得意技はさすがお見事。全体としてはちょっとどうかと思う部分もあるけど、個々の話はよくできていて面白いし、確かに連ドラ向きだわ。
読了日:11月30日 著者:湊 かなえ

2011年11月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

読んだ本ー10月

遅ればせながら先月の読書メーターまとめ。
結局、全然ブログの更新が出来てないね。シネマエレキングの方も溜まりに溜まっているし。
そんなメチャメチャ忙しいわけでもないんだけどなあ。なんとなく落ち着かない。
読書の方もそこそこ冊数いってるようで、読んだ実感としては全然なんだよなあ。
特に小説がなかなか読めない。用意してある本が全然減らないので、次々と出る注目本にもなかなか手が出せないというツラサ。


10月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2565ページ
ナイス数:16ナイス

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)
冒頭の2編は余裕で楽しめたが、どうやら「暗黒整数」で調子を崩されたらしく、後はガタガタ(いや作品がではなく、こちらが)。凄いんだろうなあ、と指を咥えつつ、文字の羅列を目で追っていくのみの状態に。出直してまいります。
読了日:10月04日 著者:グレッグ・イーガン
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
どうにもノレなかったなあ、最後まで。とりあえず次作まで評価はお預け。
読了日:10月06日 著者:東 直己
なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか―変わりゆく死刑基準と国民感情 (幻冬舎新書)なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか―変わりゆく死刑基準と国民感情 (幻冬舎新書)
死刑廃止論についてこれまでしっかり考えてこなかったのでその考察の一助とするために。単純な気分的には死刑廃止反対であったが、死刑を廃止して終身刑を確立すべしということなら少しわからなくもない。というかそもそも無期懲役が終身刑でないという認識もこの本を読むまではっきり持ってなかったわけだが。
読了日:10月07日 著者:森 炎
日本橋バビロン (文春文庫)日本橋バビロン (文春文庫)
後半、戦後になって親戚関係で少しゴタゴタがあった時の筆致が『夢の砦』を思い起こさせ、ああ、小林信彦の小説を読んでいる、という気分に久々になった。ある種の怨恨をベースにした描写をする時、この作者の筆は精気を帯びる。
読了日:10月13日 著者:小林 信彦
ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書)ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書)
ヤクザの是非を云々する前にその成立事情を知る上では非常に役立つ概説書ではないだろうか。HOTな話題の芸能との関係もしっかり書かれているし、切っても切れないと言われるその関係がどうして不要とされるようになったかもきちんと書かれている。
読了日:10月15日 著者:宮崎 学
日本ラーメン秘史 (日経プレミアシリーズ)日本ラーメン秘史 (日経プレミアシリーズ)
前作の『無敵のラーメン論』から約10年。ラーメンの各構成要素を解説しつつ多くの店を紹介し、各系統の成り立ちや現状の概況を語り、後半日本全国のご当地ラーメンをおさらいするという内容はほぼ踏襲されている。が、より広く深く書き込まれているという印象を受けた。やはりこの10年でラーメンを取り巻く状況はさらに大きく変わったという認識を新たにせざるを得ない。斯界の第一人者たる著者のラーメンシーンに対する広範な目配りとその該博な知識・経験はさすがと感じ入る。マニアにも一般にも薦められる好著。
読了日:10月25日 著者:大崎 裕史
ポストモダン建築巡礼ポストモダン建築巡礼
ポストモダンは難しいなあw。と建築門外漢は思うわけだが、この本の楽しさは揺るがない。文章、イラスト、写真のバランスと互いの補完関係が絶妙で飽きない。著者の建築に対する愛情と他分野に関する知識の融合もこの本の重要な魅力だ。ちょこっとずつ大切にゆっくりと読み進めたい、そんな一冊である。
読了日:10月26日 著者:磯 達雄
ラーメンと愛国 (講談社現代新書)ラーメンと愛国 (講談社現代新書)
ラーメン本ではなく、ラーメンを軸とした社会論。とはいえ、思った以上にラーメン事情のことをしっかり踏まえて書かれているので、ラーメンファンが読んでもシラケることなく読める。ラーメンをとりまく情勢を少し外から冷静に見つつ興味深い指摘もちらほら。
読了日:10月28日 著者:速水 健朗
カササギたちの四季カササギたちの四季
軽快な連作短編集だが、やや物足りないかなあ。著者に期待するものとしては。ひとつひとつの推理のひっくり返しようがやや弱い。繰り返しパターンの連作形式は良いにしても全部を繋いでひっくり返す何かを期待してしまった。
読了日:10月29日 著者:道尾秀介

2011年10月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

読んだ本ー9月

久々に読書メーターのまとめ。
なんやかや平行して読んではいるのだが、なかなか冊数が伸びない。
いま読書に対する集中力が過去最低になってるような気がしてならない。
面白い本に対しても失礼な読み方になってるよなあ。

9月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2334ページ
ナイス数:19ナイス

冬の神話 (1966年)冬の神話 (1966年)
四半世紀の積ん読消化。読んだのは角川文庫版だから小林信彦名義になってる。小林の重要なモチーフのひとつである疎開体験ものはこれまで読み残してきた。「流される」を読むために消化していこうと一念発起。綺麗事でまとめていないながらもリーダビリティが高く、重い体験もさらりと読めてしまうところが持ち味であり、また軽く見られてしまうところなのだろう。
読了日:09月01日 著者:中原 弓彦
タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)
ウン十年振りの再読。読み終わって当時もなんだかぼんやりした印象だったなあ、と思い出す。ヴォネガットはその後好きな作家となったがこの作品に対する思い入れは薄い。基本設定および雰囲気は結構好みなんだけどなあ。
読了日:09月09日 著者:カート・ヴォネガット・ジュニア
東京少年 (新潮文庫)東京少年 (新潮文庫)
第一部の集団疎開編に関しては『冬の神話』に比べ素っ気ない印象。今作も自伝そのものではないと云うが、前作が実体験を文学的に昇華させようと意図していただろうことに対し、そこに主眼はないようだ。第二部から結末に進むにつれ、著者の東京に対する執着の根本が解き明かされたようでなるほど腑に落ちる。
読了日:09月14日 著者:小林 信彦
レヴィナスを読む: 〈異常な日常〉の思想 (ちくま学芸文庫)レヴィナスを読む: 〈異常な日常〉の思想 (ちくま学芸文庫)
出だし取っつき易く快調に読み進めていたのだが、博覧的に各種思想が引き合いに出され、当方がほとんど初心者であるレヴィナスそのものを見失い始めた段階から俄然難解な印象に。後半はとても「読めた」とは云えない状態だなあ。
読了日:09月19日 著者:合田 正人
探偵術マニュアル (創元推理文庫)探偵術マニュアル (創元推理文庫)
導入部から前半にかけては最高に好みで、文章表現ひとつとっても絶賛したい程だったのに、中盤になり仕掛けが見え始めたあたりからどうにも好みから外れて来はじめ最終的には読み続けるのが苦痛になるまでになってしまったのは自分としてもなんとも納得ができない。あの映画といい、例の仕掛けと個人的にはいまひとつ相性が悪いのかもしれないなあ。
読了日:09月22日 著者:ジェデダイア・ベリー
映画×東京とっておき雑学ノート―本音を申せば〈4〉 (文春文庫)映画×東京とっておき雑学ノート―本音を申せば〈4〉 (文春文庫)
週刊連載で大体ざくっとチェックして、単行本はスルー。四年後に出る文庫でじっくり追いかけるというのが僕のこのコラムとのつきあい方。可能な限り続けて欲しい。
読了日:09月25日 著者:小林 信彦
ラジオの魂ラジオの魂
語り下ろし。キラ☆キラのポッドキャストの大半をフォローし、ツィッターのつぶやきを追い、雑誌インタビュー等の記事にもこまめに目を通している自分にとっては目新しい話は特にないものの、現在に至る小島慶子を簡潔に知る上でそのパンチラインがしっかりわかるコンパクトにまとまった本。
読了日:09月26日 著者:小島 慶子

2011年9月の読書メーターまとめ詳細
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